スージーちゃんの馬車

〜 ASWAN 〜 2001/8


 アスワンの空気は熱い。【切りかけのオベリスク】を見に行こうと、ナイル川沿いのメインストリートをトボトボ歩いていきました。ガイドブックによると、ダウンタウンから「歩けないこともない距離」ということだったのですが、道々、馬車のおやじさん達が声をかけてきます。

【切りかけのオベリスク】

 BASHA とか 5ポンド とか、日本語で語りかけてくるのを無視していると、中国語や韓国語で、馬車 という意味の言葉(だと思う)を連呼し始める。首を振り振り、ノーシュクラン いや結構、とかわしていきます。そんな中で、若いヌビアンのお兄ちゃんが、“どこまで、いくの?”と声をかけてきました。

 切りかけのオベリスク、というと、信じられないという顔をして、“すごい遠いよ。馬車に乗らない?” 日差しの強さにうつむき加減だったお子ちゃま達が、「乗ってもいいの?! 馬車で行く〜。」 

途中で干し草を買ってもらって、
むしゃむしゃ Suzy

 お馬さんの名前は Suzyちゃん。来月赤ちゃんが産まれるそうです。スージーちゃんには、すでに1頭、子どもがいるそうで、その写真も貼ってありました。“こんど産まれたBaby、あげようか”と言われて、翼は「ほんとにくれるの!?ほんと?」


 思ったより遠い道のりでした。確かに歩いている人は少ない。ギュウギュウ詰めでタクシーにのってるエジプシャンたちを指差して、“エジプト人もタクシーに乗るのに、観光客の君達が歩いていくなんて、クレイジーね!どう?ここからでも歩いていく?”と、お兄ちゃんは勝ち誇って大笑い。ハイハイ、あなたの勝ちです(^_^;)

 オベリスクでは、落ちてる石を丹念に調べたりして、小一時間。外でスージーちゃんには待っててもらって、帰りはスークやカタラクトホテルなどを回りながら戻ってもらうことにしました。

 ティッティッと、舌打ちのような音をたてながら、スージーちゃんを走らせます。翼と樹は御者台に乗せてもらい、手綱をとらせてもらって大満足。

お野菜積んで、のんびり
スパイス屋さんや、おみやげもの いろいろ

 お隣をのんびりと進んでいるのは、ロバが引いてるのかと思ったら、“あれはエジプトの馬。スージーみたいなアラブの馬は強いんだ!”と得意顔。狭いスークの通りに入っていきました。“本当は、ヌビアンマーケットの方が素敵さ。これから行くか?No?ここはエジプシャン・マーケット。3ポンド、5ポンドと言っておいて、お店の中に入ると20ポンドとか言うんだよ。” 馬車の上からだと、商人に引っ張りこまれることもなく、アラジンが出てきそうな市場をゆったりとWatchingできて、これもなかなか楽しい。

馬車 大好き!

 スージーちゃんは、本当にたくましい。スークを抜けて車と一緒に全力疾走。速い、速い。途中でお兄ちゃんが、いたずらっぽく言いました。“スージーは、この先の角で曲がろうとするよ、きっと(^_-)”。その通り、ふらふらっと道を外れようとした先には、スージーちゃんのお家がありました。休みたいんだよね、そりゃあ、こんなに暑い中を走るの、疲れるよね。えらい、えらい。

 干し草売りも、荷馬車です。荷台に山のように積んである干し草を、下のほうから引っ張り出して自分の馬車に積み込みます。上の方は、乾燥しちゃってるからね。

 ホテルの船着場まで送ってもらって、交渉金額+αを渡すと、ニコニコしながら“スージーにも!”もう10ポンドおまけです。たくさんご褒美、もらってね、スージーちゃん。

記 2001/9/16


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